漫画家・芦原妃名子さんに何があったのか?実写ドラマ化トラブル後遺書残し亡くなる…日テレが社内調査報告

小学館コミック

漫画家・芦原妃名子さんが著書「セクシー田中さん」の実写ドラマ化にあたって日テレとトラブルになりその後、遺書を残し亡くなっていたことが世間を騒がせました。その結果に至るまで何があったのか?そしてその後の対応はどうなったのか?現在までの動きをまとめました。

目次

漫画家・芦原妃名子さんに何があったのか?

事の発端は、昨年10月に日本テレビにて放送されたドラマ「セクシー田中さん」の原作者・芦原妃名子さんがドラマ終了後に公表した、ドラマ化にあたりテレビ局との間で生じたトラブルについての発言でした。

「原作に忠実に」という条件にそぐわない脚本が上がってきたことで、最終的に9話と10話の脚本を芦原さん自ら執筆するという事態になってしまった事が主な内容でした。

脚本家の相沢友子さんは、8話まで書き上げてきたのに突然外された、と無念のコメントをされていましたが、芦原さん自身によるコメントによって明かされた”芦原さんが自ら執筆するに至る経緯”を知らなかったとし、謝罪をしています。しかし、この一連のやり取りの内容によって相沢さんへの誹謗中傷が相次ぎました。

その誹謗中傷を受け、芦原さんは脚本家の相沢さんを攻撃するつもりはなかったとし、謝罪しコメントを削除していました。相沢さんの脚本家仲間からもこのような事態になったことで相沢さんへの擁護のコメントが上がりましたが、それによってまた誹謗中傷の声が相次ぎ、この一連の事態に心を痛められた芦原さんは遺書を残し自死をされてしまったと見られています。

日本テレビと小学館によるドラマ化への打ち合わせはあったはずですが、芦原さんの声は届かず、また脚本家の相沢さんと芦原さんが直接話し合う場も設けられていなかった事など、一方通行なやりとりや制作側の意図して原作者をないがしろにした姿勢が問題視されていました。

日本テレビが行った調査の結果を報告

日本テレビ側が調査を行った結果として、ドラマ化の条件について芦原さん側との間に認識の齟齬があったと認め、石沢顕社長は「ドラマの制作関係者や視聴者の皆様にお詫び申し上げます」と謝罪しました。

今後のドラマ制作にあたっては、

▼原作側が映像化についてイメージできるよう演出などが書かれた「相談書」を作成すること

▼原作者との認識の齟齬をなくすため直接の面談を要請し意見を聞くよう試みること

▼トラブルを極力回避するため原作者や脚本家との間で可能な限り早期に契約書を締結すること

などを提言しました。

また、報告書によると、芦原さんが生前にブログに記載していた「必ず漫画に忠実に」とする主張は、現場に伝わっていなかったことが明らかとなりました。つまり、芦原さんがドラマ化にあたり出した条件が制作サイドに伝わっていなかったということですが、原作者の意向は小学館を通じて伝えているという認識であったと思われますのでこの結果は食い違いが発生しています。この結果で明らかになったのは、小学館側の問題。芦原さんははっきりと条件を提示していたにも関わらず守られなかったのは、この小学館の対応に不適切があったからではないか。さらに、第一話の脚本完成時に芦原さんから抗議があったとされており、脚本の差し戻しが行われていたということで、その際にも芦原さんの思いは直接伝えらられたのではないか?という疑念から、制作サイドも意図して作者の意向を無下にしたのではないかと感じます。

問題を大きくした原因は各所の様々な都合による言い分ではないでしょうか。「伝わっていなかった」という言い分と、「十分に伝えていた」という認識。その不適切な対応によって生まれた不幸につきます。今回の日本テレビの調査によって出された今後の取り組みについても、本来なら当たり前に行われる事でありわざわざ文章にしてまで発表するような内容ではないと感じます。しかし、ここまでの問題になったのであればこの先同じようなことが起きないよう問題提起し、風化させないよう携わる人たちが各々に肝に銘じていっていただきたいと思います。そして、さらなる原因の究明をし二度とこのようなことが起きないよう取り組んでほしいと思います。

もう一つの問題として、原作者芦原さん個人による事態の公表があった事、そしてその公表にあたって誹謗中傷を受けてしまう人がいた事、さらに飛び火し様々な人が誹謗中傷の対象となり、心を痛めた芦原さんが追い詰められてしまった事。このようなネットの怖さと言葉の重さ、認識の違いや誤解による間違い、それが結果としていろんな人を追い詰めたという怖さもこの事態の側面でした。

「原作者の意図が伝わっていなかった」のは問題です。しかし、それを誰も問題としなかった事もまた問題であり、コミュニケーションの不足や怠慢があったのも事実だと思います。原作のある作品に対しての実写化はこれまでも難しさが唱えられていました。その際たる問題がこの「原作に忠実に」という作者の思いと制作側とのすり合わせが密に行われたのなら、回避できた問題であったかもしれないという点が最も悔やまれます。そして、SNSなどを通じて人が傷つけられる状況にされることも避けていってほしいと切に願います。

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